2019年9月にオーディションを受けてから2年が経ちました。今回、仙台、東京、浜松、名古屋、大阪のみんなとそれからイタリア・ボローニャのみんなで『マラー/サド』という1つの作品を作り上げることができました。ここに至るまで協力してくださった様々な方々にとても感謝しています。
オーディションを終えた僕たちは、新しい仲間とともに2020年10月の公演を目指して、稽古に取り組み始めました。すぐに演劇の魅力に引き込まれ、のめり込んだことを覚えています。
しかし、熱意を持って始めた活動もすぐに新型コロナウイルスによって、分断され、2020年10月の公演は、延期となってしまいました。コロナ禍での活動は、混沌としたものでした。見通しは立てられず、思い通りに進むことはほとんどありませんでした。頻繁に意見はぶつかり合い、体調を崩し、互いを疑いあうこともありました。最後まで辿り着くことができなかったメンバーや出演が叶わなかったメンバーもいます。そんな中で僕たちが見つけたことは、どんな形でも“繋がり続ける”ということ。メッセージでも、電話でも、オンラインを活用したミーティングでも、どんな方法でも良いから対話を続けること、関係性を途切れさせないこと。そうして、僕たちは2年間をかけて、仙台、東京、浜松、名古屋、大阪、イタリア・ボローニャのみんなで『マラー/サド』という1つの作品を作り上げました。次は、観に来てくださったみなさんと「革命」と「自由」をテーマにしたこの作品を通して対話し、繋がり、良かったら歌でも一緒に歌えたら嬉しい。
2年の期間を経て、先日撮影を無事終えましたが、印象に残ったことがあります。撮影当日は、プロのカメラマンやディレクターが映像を撮ってくれました。僕たちは、プロの方に来てもらうなんてどうしようととても緊張しました。しかし、今回協力してくださったみなさんは、僕たちのことをとても尊重し、親身になってコミュニケーションをとってくれました。それは、今までに感じたことのないようなものでした。まるで僕たちのことを1人の“俳優”として接してくれているようでした。自信はないけど、僕たちは“俳優”としての第一歩を踏み出した。みんなで“俳優”というレッテルを貼り付けて、仲間たちと革命の旗を振りながら、これからも演劇を続けていきたい。
東京ソテリア
まっちゃん(演者代表)