小さくても炎があれば
2019年から合唱を共に練習してきた「マラー/サド」公演の各地の皆さんへの思いはたくさんありますが、今回東京チームの撮影に立ち会って感じたことを書きたいと思う。
課題の3曲の合唱については練習に付き合ってきたので、さすがに収録となると声もよく出ていて、振り付けも演技も完璧だと感心した。
驚いたのは「ジャック・ルーの熱弁」と「悪魔主義者」のシーンだ。
私はこちらは収録日まで見たことがなかった。どちらもたった今台詞が生まれて、演者が熱弁しているような錯覚をした。
鬼気迫る演技に引き込まれ、もっと見ていたいと思った。「私は演じたいからここにいる。もっと演じたい!」という思いが伝わってきた。
また別の練習時間の休憩時に「タカちゃんは温かいお味噌汁みたいな演技をしたいと言ってたよね・・・」というのをちらっと聞いて胸が熱くなった。
表現したいものがそれぞれ音楽でも演劇でも、小さくても炎があれば続けるべきでは。と思った。
野元 由紀子(歌唱指導)